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年次有給休暇は、有給つまり、給与が発生する休暇です。
では、1日の年次有給休暇で、給与はいくらもらえるのでしょうか?
会社は就業規則等に基づいて、下記のいずれかの方法で給与額を決定します。

1)通常の勤務をしたものとして賃金を支払う
2)平均賃金を支払う
3)労使協定を締結し、これに定めている場合には、健康保険の標準報酬日額とする

どの方法を使用しているかで、年次有給休暇1日あたりの給与額が変わってきます
自分の会社がどの支払い方法を使用しているのかを、確認する必要があります。


1)通常の勤務をしたものとして賃金を支払う場合
通常勤務と同等の給料が支払われる方法です。
年次有給休暇を取らなかった場合に、支払われたであろう給料がもらえます。

例えば、時給900円で1日7時間労働の日に年次有給休暇を取得した場合、
時給900円 × 1日7時間=6,300円
となり、年次有給休暇1日に6,300円が支払われることになります。


2)平均賃金を支払う場合
平均賃金は、月収で給料を貰っている正社員などの労働者に適用されることが多い方法です。
「年次有給休暇の取得以前3ヶ月に支払われた総額÷年次有給休暇取得以前3ヶ月の総日数
で計算した金額が、年次有給休暇1日の給与となります。

アルバイトやパートのように出勤日数が少ない労働者がこの計算式を使用すると、支給額が少なくなってしまうため、
「年次有給休暇取得以前3ヶ月に支払われた総額÷年次有給休暇取得以前3ヶ月の労働日数×0.6
という計算式も使用できます。

具体的に見てみましょう。
例えば、時給900円、1日7時間、週1日働いた場合。
時給900円×7時間=1日あたりの給与は6,300円。
週1日勤務を3ヶ月間続けた労働総日数は12日です。
6,300円×12日=75,600円が、年次有給休暇取得以前3ヶ月に支払われた総額であるとします。
また、年次有給休暇取得以前3ヶ月の総日数は1ヶ月30日×3ヶ月=90日と仮定します。

原則の計算式に当てはめると、75,600円 ÷ 90日 = 840円
年次有給休暇1日あたりの給与は、840円となります。

続いて、0.6をかける後者の計算式に当てはめると、
75,600円 ÷ 12日 × 0.6=3,780円
年次有給休暇1日あたりの給与は、3,780円となります。


3)労使協定を締結し、これに定めている場合には、健康保険の標準報酬日額とする場合
労使協定を締結しており、その労使協定内に定められている場合については、健康保険の標準報酬日額を、年次有給休暇1日の給与として支払うことができます。

(標準報酬は金額に上限があるなど労働者にとって不利になる場合があるため、労使協定の締結が必須になっています。)

標準報酬日額は標準報酬月額÷30日で計算されます。

標準報酬月額とは、毎月の給与から天引きされる健康保険料や厚生年金保険料を効率よく計算するための金額です。

例えば、標準報酬月額が560,000円の場合、560,000円÷30日=18,666円が年次有給休暇1日の給与として支払われます。