年次有給休暇まとめ

年次有給休暇に関する様々な情報を集めた 年次有給休暇まとめ

タグ: 退職



退職希望の労働者がいます。
残りの年次有給休暇をすべて消化して退職することを希望しているのですが、そのようにすると業務の引継ぎが一切行われません。
業務の引継ぎについては、就業規則にも記載されています。
なんとか、業務の引継ぎをさせることはできないのでしょうか?
また、業務の引継ぎをしないことを理由に解雇することはできますか?

退職を希望する方と話し合いを持ち、引継ぎをお願いしてみましょう。
引継ぎを行うために出社することで、退社日までの間に消化できない年次有給休暇が発生する場合は、年次有給休暇を買取りすることもできます。

業務の引継ぎをしないことを理由に解雇することはできません。

また、今後このようなケースが発生しないように、「退職する時は引継期間を必ず設定するように」と労働者に徹底するようにしましょう。



退職したいということと、退職日までの期間を年次有給休暇の消化にあてるという内容で、会社に内容証明郵便を送りました。
あわせて、
会社規定の年次有給休暇申請書も、日付を入れて送りました。
口頭では、退職や年次有給休暇について話をしていません。
この場合、年次有給休暇をとることはできますか?
無断欠勤になってしまうのでしょうか?


文書の形にて意思表示が行われているため、無断欠勤にはなりません。
無断欠勤として扱われ、その間の給料が支払われなかった場合には、内容証明郵便を証拠に賃金支払請求を行うことができます。





4月1日が年次有給休暇の付与日なのですが、6月末日で退職予定です。
4月1日から退職までの期間は3ヶ月しかありません。
20日の年次有給休暇を付与しなければならないのでしょうか?
(当該対象となる社員は、①継続勤務が6年6ヵ月以上で、②前年の出勤率が8割以上です。)

3ヵ月後に退職することが分かっている場合でも、年次有給休暇は規定の日数を付与しなければなりません。
この社員の場合は、4月1日に20日の年次有給休暇を付与する必要があります。
年次有給休暇の付与は、付与日より先の労務の予定によって変わるものではありません。
過去の継続勤務を要件として発生するものであって、将来の勤務期間は発生要件にはならないのです。
したがって、3ヵ月後に退職することが決まっている社員に対しても、4月1日に20日の年次有給休暇を付与しなければならないことになります。





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ある社員が、入社から6ヶ月目に年次有給休暇10日をもらいました。
しかしその後、入社1年未満で退職することになりました。
入社1年未満でも、年次有給休暇10日を全て消化してから退職することはできるのでしょうか?

年次有給休暇は、労働基準法に定められた労働者の権利です。
その取得理由に関わらず、労働者は年次有給休暇を消化することができます。

「退職をするから、残りの年次有給休暇を消化したい」という理由でも、会社側は労働者が年次有給休暇を取得することを妨げられません。


◆退職時に年次有給休暇をまとめてとる社員に対し、時期変更権で対抗できないの?

20日後に退職する予定で、残りの年次有給休暇を全て取得してそのまま退職したいという労働者がいて、会社側はこれを認めたくないとします。
このような場合、会社側は時季変更権でこれを阻止することができそうですが、これは認められていません

時期変更権は、その名の通り「年次有給休暇を取得する時季を変更して欲しい」というものです。
会社側が「時季を変更して欲しい」といったところで、労働者は20日後には退職してしまいます。
退職日を過ぎてしまったら、それ以降の日に対して時期を変更することはできないのです。

例えば、現在20日の年次有給休暇を所持しているAさんは、1/20に退職します。
Aさんは、1/1~1/20まで年次有給休暇を取得してそのまま退職したいと言います。
会社側が時季変更権を使ってこれを阻止しようとした場合、1/1~1/20よりも後の日にちに、年次有給休暇の取得日をずらさなければなりません。
しかし、Aさんは1/20で退職するため、あとにずらすことはできないのです。

従って、Aさんの年次有給休暇の取得は有効となるのです。


◆消化できない年次有給休暇は買い取ってもらえる?           

入社1年未満で退職する場合など、退職時の年次有給休暇については、買い上げを行っている会社も多くあります。
退職時に、消化しきれなかった年次有給休暇を就業規則に従って買い上げてもらうことは、違法ではありません。⇒年次有給休暇の買い上げは合法?違法?

年次有給休暇の買い上げについては、会社ごとに就業規則に定められています。
自分の会社が、退社時の年次有給休暇の買い取りを行っているのか知りたい場合は、就業規則を確認してみましょう。






年次有給休暇の計画的付与を行っています。
社員が退職を申し出たのですが、残っている年次有給休暇を全て消化したいと
希望してきました。
年次有給休暇の計画的付与は、5日を除き、使用予定日が既に決まっているもの
であることを理由に、年次有給休暇の消化を拒否することはできますか?

年次有給休暇の計画的付与とは、使用者と労働組合(ない時は過半数の代表者)との間で
労使協定を結び、「有給休暇を与える時期に関する定め」をすることによって行う事が
できる制度です。(労働基準法第39条第6項)

計画的付与においては、「労働者の時季指定権および使用者の時季変更権はともに
行使できない」(昭63・3・14基発第150号)とされています。

「計画的付与は、当該付与日が労働日であることを前提として行われるものである。

その前に退職することが予定されている者については、退職後を付与日とするような
計画的付与はできない」と述べられています。

「計画的付与は、付与日が労働日であることを前提とする」ことから、退職日が決まった
のが協定締結より前であれ、後であれ、その人については年次有給休暇の計画的付与は
できないことになります。


労働基準法コンメンタールでは、「特別の事情により年休付与日があらかじめ定めら
れることが適当でない労働者については、対象から除外することも含め、十分労使が
考慮する」よう求められています。






 


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