意外と知られていませんが、パートやアルバイトで働いている場合でも、年次有給休暇を取得できます。
となると、気になるのは「何日の年次有給休暇がもらえるのか?」ですよね。
もらえる休暇は、労働する日数によって変わります。
パートやアルバイトであっても、正社員と同じだけ働いている場合は、正社員と同じ日数の年次有給休暇をもらうことができます。
パート・アルバイトの場合の年次有給休暇の計算方法を紹介します。
●年次有給休暇をもらうための条件
パート・アルバイトであっても、正社員であっても、年次有給休暇をもらうためには、下記の2つの条件を満たさなければなりません。
1)雇い入れられた日から6か月経過していること 2)その期間の全労働日の8割以上出勤していること |
1)は、入社した日から半年以上経過している必要があるということです。
2)は、会社が出勤日と決めている日の合計日数の 8割以上を出勤している必要があるということです。
会社が出勤としている日=労働日です。
その総日数が全労働日になります。
●年次有給休暇は何日もらえるの?~週30時間以上働いている場合~
何日間の年次有給休暇がもらえるのかは、労働する日数によって変わります。
1)週所定労働時間が30時間以上で、所定労働日数が週5日以上の労働者 または、 2)1年間の所定労働日数が217日以上の労働者 |
上記1)または2)にあてはまる場合は、「一般の労働者」として年次有給休暇の日数をたくさんもらうことができます。
所定労働時間は、会社で仕事をしなければならないと決められている時間、所定労働日数は、会社で仕事をしなければならないと決められている日数です。
例えば、パート・アルバイトであっても、週5日 1日8時間働いているならば、正社員と同じ日数の年次有給休暇をもらうことができるのです。
一般の労働者の場合は、下記の表の日数が付与されます。
雇い入れの日から計算した勤続年数 | 有給休暇の付与日数 |
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月以上 | 20日 |
「雇い入れの日」とは、入社日です。
例えば、入社日(2016年4月1日)から半年後(2016年10月1日)に10日の年次有給休暇がもらえます。
入社日から1年半後(2017年10月1日)には、11日の年次有給休暇がもらえることになります。
●年次有給休暇は何日もらえるの?~労働時間が、週30時間未満の場合~
一般の社員よりも労働時間が少ない場合は、別のルールにそって、年次有給休暇の日数が決まります。
1)週の所定労働時間が30時間未満で、かつ、週4日以下の所定労働日数の労働者 2)週の所定労働時間が30時間未満で、かつ、年216日以下の所定労働日数の労働者 |
上記1)または2)にあてはまる場合は、「比例付与」で年次有給休暇をもらうことができます。
比例付与とは、労働日に比例して年次有給休暇の日数がもらえるよというルールの名前です。
一週間のうち、会社で仕事をしなければならない時間が30時間未満で、なおかつ、会社で仕事をしなければならない日数が週4日以下、または、年間216日以下の人が、あてはまります。
具体的に何日の年次有給休暇をもらえるのか、見てみましょう。
週所定労働日数 | 1年間の 所定労働日数 | 雇入れ日からの継続勤務期間(単位:年) | ||||||
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 | ||
4日 | 169日~216日 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
3日 | 121日~168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 |
2日 | 73日~120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 |
1日 | 48日~72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
たとえば、1週間の所定労働日数が1日、または、年間48~72日間働く場合は、入社日から半年で1日、1年半で2日、というように、年次有給休暇をもらうことができます。
週1バイト 1日7時間で、月4日(年に48日)のアルバイトなら、これに該当します。
同じように、1週間の所定労働日数が4日、または、年間169~216日間働く場合は、入社日から半年で7日、1年半で8日、というように、年次有給休暇をもらうことができます。
週4バイト 1日7時間で月16日、年に192日のアルバイトなら、これに該当します。
●パート・アルバイトでも、働き方によっては、年次有給休暇をたくさんもらえる!
週4日のパート・アルバイトでも、1日の所定労働時間が8時間を越えている場合は、比例付与のルールは適用されません。
週4日×8時間=週の所定労働時間が32時間となり、30時間を越えるためです。
この場合は、一般の労働者として年次有給休暇をもらうことができます。
1日の労働時間が4時間であっても、週5日の所定労働日数であれば、比例付与のルールは適用されません。
週5日×4週間=月20日×12ヶ月=年間労働日数240日となり、年216日以下という比例付与のルールからはずれてしまうためです。
この場合は、一般の労働者として年次有給休暇をもらうことができます。