会社の年次有給休暇申請書などには必ず、年次有給休暇の「利用目的」や「理由」を記載する欄が設けられています。
また、「利用目的」や「理由」の内容しだいで、年次有給休暇の取得が認められないといった話も耳にします。
年次有給休暇をとるためには、利用目的や理由が必要なのでしょうか。


◆年次有給休暇の取得に、利用目的はいらない             

年次有給休暇の取得は、労働基準法に定められた労働者の権利です。
年次有給休暇を取得する利用目的は、
「家族旅行に行く」
「子供の授業参観に行く」
「退職するから残りの有給休暇を消化する」
など、どのようなものであっても構いません。

また、そもそも年次有給休暇を取得するときに、利用目的を会社側へ伝える義務はありません。

会社側は、年次有給休暇の利用目的によって、休暇の取得を制限することもできないのです。


◆会社の業務が回らなくなる場合は、時季変更権が認められる      

労働者は、利用目的がどんなものであっても、いつでも年次有給休暇を取得できるのですが、例外があります。

(1)年次有給休暇の利用目的が、「自社の労働争議に利用する」という場合。

自社の労働争議=自社でストライキを行うという利用目的である場合には、会社側は労働者に年次有給休暇を認める必要がなくなります。


(2)年次有給休暇を取得することにより、業務の正常な運営が妨げられる場合

労働者が年次有給休暇を取得することによって会社の業務が回らなくなってしまう場合には、会社側は、別の日に年次有給休暇を取得するよう時季を変更することができます。(年次有給休暇の時季変更権)

この時季変更権は、業務が忙しいからという程度では、行使できません。
例えば社員5名の会社で、仕事を行う為に最低3人の人員が必要な時に、3人の社員から年次有給休暇の取得を希望され2人しか残らない=仕事が回らないといった場合に行使できます。

尚、時季変更権は年次有給休暇を取得する日を変更するだけで、年次有給休暇の取得そのものが認められないわけではありません。