理由を問わず、従業員が欠勤した場合に、その欠勤を自動的に年次有給休暇を
取得したものとして振り替えを行う
ことを労使協定で定めることは可能なのでしょうか?

年次有給休暇は原則として、労働者の請求する時季に与えられるものであると
されています。(労働基準法39条4項)。

労働者が「何月何日に年次有給休暇の取得を行う」という請求、つまり時季指定を行い、
これに対し使用者(会社)が、年次有給休暇を与えます。
使用者(会社)は、事業の運営が妨げられるという理由により時季変更権を行使する
場合以外は、請求された休暇を与えなければなりません。

労働者が欠勤をした場合に、後からその欠勤日を年次有給休暇へ振り替えることについては、
労働基準法には定めがありません。

つまり、欠勤を年次有給休暇へ振り替える「権利」は、労働者にはありません。
就業規則や使用者(企業)が承認した場合に、事後の振り替えが認められるのです。

欠勤の年次有給休暇への振り替えについては、
 「問 欠勤(病気事故)した場合、その日を労働者の請求により年次有給休暇に振替えることは
違法ではないかと思料するが、就業規則その他にその事を定める必要はないか」
「答 当該取扱いが制度として確立している場合には、就業規則に規定することが必要である」
(昭23・12・25基収第42旧号、昭63・3・14基発第150号)

という行政解釈があります。

「事後」に振り替えを行う場合は、労働者の請求があることが前提であり、請求がない場合に
使用者(会社)が勝手に欠勤を年次有給休暇に振り替えすることはできません。

しかしながら、必ずしも明確な振り替えの請求が必要であるとはいえません。
振り替えを希望する場合には年次有給休暇の申請書の提出を行うよう規定されているが、
従業員がこれを提出し忘れたまま振り替えを請求する場合などは、「明確な反対意思が
なければ、黙示の振り替え請求があったとみなすことができる」といえます。

「事後」の年次有給休暇の請求を忘れたことによって、振り替え処理が行われないことについて
トラブルになるのであれば、労使協定に欠勤の自動的な年次有給休暇への振り替えを定め、
協定し、自動振り替えを行うことも可能であると考えられます。

しかしながら、この場合も従業員が異議を述べた場合は、振り替え処理は行えません。


参照:人事・労務相談Q&A