変形労働時間制とは、月や年など一定の期間(変形期間)を平均して、
1週間あたりの労働時間が週の法定労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)を
超えなければ、法定労働時間(8時間)を超える日があったり、週の法定労働時間を超える
週があっても、法定労働時間内に収まっているものとして扱うものです。


例)4週間の労働時間の平均が、法定労働時間に収まる
1週目:34時間
2週目:40時間
3週目:39時間
4週目:47時間

変形労働時間制をとると、1日あたりの労働時間が異なる場合が
発生します。

この時年次有給休暇を取得すると、年次有給休暇の取得日分として
支払われる賃金は、どのように決められるのでしょうか?


年次有給休暇の賃金の計算方法は3種類あります。


(1) 労働基準法第12条で定められている平均賃金
(2) 所定労働時間を労働した場合に支払われる、通常の賃金
(3) 健康保険法第3条に定められている標準報酬日額に相当する金額


●年次有給休暇中の賃金 参照


給与の支払いが月給制・日給制の場合は、日によって所定労働時間が異なっていても
月給、日給は同じですので、変形労働時間制をとっている時に年次有給休暇を取得した
日の賃金も、通常の場合と同様の扱いとなります。

変形労働時間制をとっている時に、給与の支払いが時給制である場合は、
上記3種類のどの方法を選択するかによって賃金が異なります。


(1)「平均賃金」は、
過去3ヵ月の賃金総額 ÷ その期間の総日数
によって計算された金額です。
一日の所定労働時間が異なっている場合でも、各日一律の賃金になります。

(2)「通常の賃金」は、各日の所定労働時間に応じて賃金を計算します。
年次有給休暇を取得する日の所定労働時間によって賃金の金額が変わるため、
「所定労働時間が長い日に年次有給休暇を取得した方が得」になります。


(3)「標準報酬日額に相当する金額」は、(1)と同じで、一日の所定労働時間の
違いとは関係なく一律の賃金を支払います。
この方法を選択する場合は、労使協定によってこれを定める必要があります。


賃金について、上記3種類のいずれを使用するかは、予め就業規則等で定めて
おく必要があります。